2021年3月12日、第一回目となるSDGs委員会（委員長：池田一実氏）を東京都新宿区にて開催しました。参加者は32名（オンライン出席含む）。

委員会の冒頭には、最高顧問の利根川弘衞氏が「SDGsは世界的に大切な問題で、我々の生命に関わる問題。2030年に向けて実行していく大変な時期を迎えています。我々も皆様とともにご指導いただきながら、取り組んで参りたいと思っています」と話されました。

続いて、池田一実委員長が「企業として環境配慮型のものづくりやインフラの整備などを行わなければ企業価値を向上できない時代に突入している。その上でどのような取り組みを皆さんと行っていけるのかを話し合っていきたい」との挨拶を行いました。

続いて、アジア家具フォーラムとして今後取り組むべき「SDGsの目標」「SDGsの具体的な活動内容」「SDGs活動の訴求方法と時間軸」の３つの議題について事務局より資料などを使用して説明を行い、議論に入りました。

議論の中で「家具を長く使ってもらえる体制として部材やパーツの10年保管を進めるべき」「2023年や2030年など期限を設けて目標を設定すべき」「もっとも取り組むべき課題は伐採による森林減少」「あらゆる事業について見直しをしていく必要がある」「目標値を設けてそれにどう近付けていくかを議論していくべき」などの意見をはじめ、各社で現在取り組んでいるSDGs活動の事例などについても広く伺うことができました。

様々な意見を伺いながら、まずアジア家具フォーラムとしては環境問題を最重要課題として目標を設定していくことで合意しました。SDGsの目標では９（産業と技術革新の基盤をつくろう）・12（つくる責任つかう責任）・13（気候変動に具体的な対策を）・15（陸の豊かさも守ろう）・17（パートナーシップで目標を達成しよう）への対応を重点的に検討していきます。

また具体的なSDGsに対応した活動として、パナソニック株式会社が開発中のパームヤシを利用した木質ボードを積極的に推進していくことでも合意しました。メーカーの方からは「早く試作を作って見たい」、販売サイドの方からは「完成品ができたら取り扱いたい」といった声が上がりました。パナソニック株式会社ハウジングシステム事業部の足立真治氏は「このまま何も手を打たなければ2100年には人類が生存できない環境になる可能性がある。この危機を乗り越えるために、一緒に汗をかいていければと思います」と話されました。アジア家具フォーラムでは、この木質ボードを使用した試作モデルを秋頃に目に見える形でお披露目する予定です。

池田茂最高顧問と利根川弘衞最高顧問からもご意見を伺いました。池田最高顧問からは「当社も20年ほど前からリサイクルに特化した製品を作ったが値段が高くなって売れなかった。しかし、今はホテル業界などでは環境配慮型の商品は値段が少し高くなっても買ってもらえる状況ができつつある。コントラクト向けは徐々に転換しているが、問題は一般消費者向けの商材。環境に配慮した製品の価格が少し高くなっても買ってもらえるような仕組み作りが重要。すぐに売れるわけではないと思うが、コツコツと環境に配慮した製品を作っていこう」とのご意見をいただきました。

利根川最高顧問からは「一つ提言をしたい。飽きたらすぐに買い替えればいいじゃないかというのは家具ではなくて道具だと思う。家具は家族の一員と言ってもいい。かなり古くなったソファの張り替えをいくらかかってもいいからして欲しいという依頼は未だにある。私たちは単なる道具を作るのではなく、家具を作っていきましょう。それがSDGsにもつながっていくと思う」との提言をいただきました。

最後に締めの挨拶として山下雅伸氏より「SDGsにこれからどう向き合っていくかは非常に重要な問題。だからこそ32名もの皆様にお集まりいただいた。2100年に人類が生存できないと言われているが、ちょうど今生まれた子どもたちが平均寿命まで生きると2100年。今まさにやらなければならない課題で、今回の委員会が今後の取り組みの一助になればと思います」との言葉を頂きました。

今回のSDGs委員会によって、アジア家具フォーラムは森林伐採などによる環境問題を最重要課題として、「住」に関わる企業（製造・販売・素材・住宅等）が一丸となって、持続可能な社会の実現に向けて貢献して参ります。

次回のSDGs委員会は2021年6月ごろの開催に向けて準備を進めています。

【出席参加者一覧（順不同敬称略）】

SDGs 委員会委員長
　池田 一実（ フランスベッド株式会社 代表取締役副社長執行役員 経営企画本部長）
SDGs 委員会副委員長（名代）
　西田 靖（株式会社大地コーポレーション 営業管理本部長）
利根川 弘衞（株式会社東京インテリア家具 代表取締役会長）
池田 茂（フランスベッド株式会社 代表取締役社長）
山下 雅伸（ 向陽技研株式会社 代表取締役）
南出 達彦（マルイチセーリング株式会社 経営企画室室長 兼 営業推進部部長）
馬場 万亀彦（株式会社馬場家具 代表取締役社長）
森 佑貴（ 株式会社パモウナ 代表取締役社長）
堀田 真宏（株式会社堀田木工所 代表取締役社長）
山田 裕次（株式会社アーバン通商 営業３部部長）
狛 裕樹（株式会社大塚家具 取締役専務執行役員 商品流通本部長）
西村 秀之（株式会社スリープセレクト 代表取締役社長）
久保 忠範（株式会社スリープセレクト 営業企画部副部長）
石川 新（株式会社スリープセレクト 営業企画部次長）
鈴木 美穂（株式会社スリープセレクト 営業企画部マネージャー）
橋爪 裕和（タンスのゲン株式会社 常務取締役）
岡田 宏隆（ヤマネホールディングス株式会社 専務取締役）
張 進（MorriSofa Japan 株式会社 代表取締役社長）
大藪 雅徳（株式会社Elaly 代表取締役 兼 CEO）
宅野 清吾（株式会社Elaly 商品開発部）
筧 明憲（株式会社サンゲツ インテリア事業本部 ファブリック事業部 椅子生地事業室室長）
足立 真治（ パナソニック株式会社 ハウジングシステム事業部 イノベーション推進室 室長）
大野 達司（パナソニック株式会社 ハウジングシステム事業部 イノベーション推進室 新基材事業推進部 部長）
阿部野 育三（一般社団法人アジア家具フォーラム 代表理事）
喜多村 圭（一般社団法人アジア家具フォーラム 事務局長）

【オンライン出席者一覧（順不同敬称略）】

林 暁明（株式会社大地コーポレーション 代表取締役社長）
尾畑 悦治（株式会社大地コーポレーション 顧問）
中島 裕也（株式会社アーバン通商 代表取締役社長）
楊 春根（TEKVORCARE 海外事業部長）
朴 国哲（ディワートオキン日本 日本営業所 営業部長）
塩田 弘樹（パナソニック株式会社 ハウジングシステム事業部 イノベーション推進室 新基材事業推進部 事業企画課 主幹）
垣内 万里子（パナソニック株式会社 ハウジングシステム事業部 イノベーション推進室 新基材事業推進部 事業開発課）