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マレーシアのPALM LOOP工場を視察
PALM LOOPのパイロットプラントの視察参加者たち
2024年3月5日、マレーシアのジョホール州にあるPALM LOOPのパイロットプラントの視察会を開催しました。参加者は19名。当日の朝にクアラルンプールをバスにて出発。ジョホール州にある工場までは片道約4時間かかります。
途中でオイルパーム庁が管轄するパーム農園を見学しました。パーム農園内は悪路が多く、バスでは移動できないため、数台の四駆車に乗車して農園内に進みます。農園の奥ではちょうど収穫期を終えたアブラヤシの伐採が行われていました。1台のショベルカーがアームをアブラヤシに当てて圧力を加えるとアブラヤシは簡単に倒れました。倒れたアブラヤシをバケットを使って上手に移動させ、バケットの爪で幹を粉砕していきます。アブラヤシはものの1、2分で小さな木片になりました。周囲には伐採されたアブラヤシがたくさん放置されています。これが長期間放置されると、発酵分解されて大量のメタンガスを放出します。まさにその光景が眼前に拡がっていました。農園内に残されていたアブラヤシの実を触ってみるとねっとりとした質感でパーム油の原料であることがよく分かります。この実を採取するためにはアブラヤシの葉の部分を伐採しなければなりません。そのため、農園内のいたるところにアブラヤシの葉が放置されていました。この葉の部分も長期間放置されると発酵してメタンガスを放出します。パーム農園が抱える課題をまさに現場で見ることができました。
パーム農園を見学する参加者たち
ショベルカーで倒されるアブラヤシ
粉砕されて放置されたアブラヤシの廃材
パーム油の原料となるアブラヤシの実
ジョホール州のPALM LOOPのパイロットプラントに到着すると、SATREPS(地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム)のメンバーの方々が出迎えてくれました。このパイロットプラントでPALM LOOPボードの原料となるペレットが生産されています。まずは座学でSATREPSの活動やアブラヤシの廃材が抱える課題などを学び、実際にアブラヤシから精製された様々なペレットを手に取ってみることができました。
その後、パイロットプラント内の工場を見学しました。アブラヤシの幹が粉砕され、粉末状になったものを洗浄していきます。工場内にはアブラヤシの糖分の濃厚な甘い香りが漂っていました。この特殊な洗浄でアブラヤシに多く含まれている糖分と無機成分を除去しています。その後、さらに摩砕、乾燥、抽出されたチップが圧縮されてペレットに成形されて出てきました。これまでボードやペレットなどを部分的にしか見ていたなかった参加者たちも一連の作業工程を目にして感動していました。
SATREPSの方々に活動内容などを座学で伺いました
パイロットプラントを見学する参加者たち
圧縮成形されてペレットが精製される
今回の視察は、パナソニックハウジングソリューションズ株式会社の現地メンバーがマレーシア政府の関係各所やSATREPS参画企業と調整や交渉をしていただき、実現することができました。通常では見ることができないパーム農園内の作業、PALM LOOPのパイロットプラントなどを見学することができ、非常に学びの多い視察となりました。