フォーラム・人材交流

3年ぶりに夏季セミナー「第7回夢を語る会」を開催




2022年8月3日(水)、3年ぶりに夏季セミナー「第7回夢を語る会」を株式会社朝日新聞社東京本社(本館2階・読者ホール)にて開催しました。参加者は52名。講演は各界で活躍する4名の講師の方が発表しました。

<講演プログラム>

「グリーンファニチャー」という挑戦 ―サーキュラーエコノミーの実現に向けてー
足立 真治 氏(パナソニックハウジングソリューションズ株式会社 常務執行役員 CIO、デザイン担当 (兼) イノベーション本部長)

次世代型3DクラウドツールCOOHOMで実現する家具インテリア業界の未来
安川 友規 氏(株式会社e-squisse プロデューサー)

ブランド価値向上による「稼ぐ力」の強化:日本企業の課題
原田 将 氏(明治大学 経営学部 専任教授)

メディアにおける展覧会事業の裏側
堀越 礼子 氏(株式会社朝日新聞社 取締役 事業統括)




セミナーの冒頭に開会の挨拶を行った阿部野代表理事は、「コロナ禍の3年間は制限に戸惑うことが多い時期でもありましたが、人と人との活動こそが当会の活動の根幹」との考えを示しました。




パナソニックハウジングソリューションズ株式会社の足立常務は、木材を利用する家具業界が直面するグローバル課題とローカル課題を示し、それぞれの解決策としてパナソニックハウジングソリューションズ株式会社が持つ技術であるアブラヤシ廃材再生ボード化技術(PALM LOOP)と木材改質制御技術について説明しました。この2つの技術を両輪に「グリーンファニチャー」というコンセプトで、「家具業界の皆様とサーキュラーエコノミーのシステムをどう作っていくのかを熱く議論できればと思います」と参加者に呼びかけました。




株式会社e-squisseの安川氏は、COOHOMと呼ばれる次世代型3Dクラウドツールとの出会い、海外と日本のDX事情、DXを活用した企業の成功例などを紹介しました。そして最後に「より効率のよいツール、新しいツールを使って、家具業界の皆様とより発展性のあるビジネスを展開していけるようになればと思います」と話し、実際の3Dクラウドツールで描画されたカタログにも使用できるような流麗な画像(レンダリング画像)を披露しました。




明治大学経営学部の原田教授は、失われた30年とも言われる日本の経済低迷期の原因は何にあるのかと問いかけ、それは日本企業のROS(売上高経常利益率)の低さによって稼ぐ力が弱まったことが原因ではないかと資料を用いて説明しました。今後の日本企業が稼ぐ力を養うためにはブランド価値の向上が必要であり、それによって脱価格競争による高収益を実現する必要があると原田教授。最後に中小企業の多い家具業界でブランド価値を高めるための方策について話し、参加者もその提言に耳を傾けました。




堀越氏は、これまで朝日新聞が携わってきた様々な文化事業を紐解いて説明しました。とくに自身で手掛けた「クリムト展」や「古代エジプト展」などの展覧会の舞台裏を当時の画像を添えて解説すると、まるで目の前で体験しているかのように。また、朝日新聞が多様な文化事業を展開している歴史と社是にも触れ、「アジア家具フォーラムに入会させていただいた機会に、これからは家具業界の皆様とも接点をもっていければと思っています」と期待を込めて講演を締めくくりました。




4つの講演終了後には、アジア家具フォーラム監事として山下氏が登壇して、弊会の辞を述べました。山下監事は、原材料の高騰や為替の問題などの多くの課題がある中で、「今回の講演に参加された会員の皆様はこうした講演の内容を参考にして課題を解決し、日本の家具インテリア業界の活性化につながっていけば素晴らしいことだと思います」と述べ、参加者並びに講師の方々に謝意を示しました。


今回は3年ぶりの夏季セミナー開催となりましたが、多くの参加者から「素晴らしい内容だった」「非常に参考になることが多かった」「また次も参加したい」と多くの言葉を頂きました。
アジア家具フォーラムでは、コロナ禍によりこれまで多くの活動を制限・自粛してきましたが、今後は状況を見守りつつも活動をコロナ禍以前の水準に徐々に戻していく方針です。

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