フォーラム・人材交流

夏季セミナー2023「第8回夢を語る会」を開催



8月2日(水)、連日の猛暑が続く中、毎年真夏の恒例イベントとなる夏季セミナー2023「第8回夢を語る会」を開催しました。会場は東京都江東区豊洲にあるBIPROGY株式会社本社の最上階にある大会議室。総勢60名の方々がセミナーに参加しました。


豊洲にあるBIPROGY株式会社の本社ビル29階大会議室からは豊洲の街並みが一望できました

冒頭に代表理事の阿部野から「今回のセミナーは大きなテーマとして、家具業界のデジタル化を掲げました」との話があり、「ご参加いただきました皆様には、どうか自社の成長や業界の発展に役立つお話をたくさんお持ち帰りいただきたいと思います」と結びました。開会の挨拶の後には、事務局からの1年間の活動報告を行い、家具業界のデジタル化に関連する4つの講演と来賓の挨拶へと進みました。


BIPROGY株式会社の上級ストラテジスト・上田氏

講演①「DXによる未来の創造」
<講師>上田 康弘 氏(BIPROGY株式会社 上級ビジネスストラテジスト)

上田氏はソニー株式会社で半導体領域に携わり、同社で執行役員を務めました。現在では、BIPROGY株式会社の上級ビジネスストラテジストや経済産業省の非常勤職員、様々な団体の会長や委員を歴任し、女子社会人ハンドボールチーム「Blue Sakuya」のオーナーを務めた異色の経歴も。その他、熊本大学の講師や鹿児島高専の客員教授を務めるなど産学官をフィールドに活躍されています。


DXの本質と本当に大切なことは何かを説く上田氏

上田氏は、前半ではDigital(デジタル)をテーマにDXの本質とは何かを説きます。しかし、本当に重要なことはTransformation(トランスフォーメーション)であるとして、具体的にDXを用いて業界のゲームチェンジが行われた事例を紹介していきます。そして、家具業界でどのようなゲームチェンジや本質的価値の創造が行われるかについての考察も披露いただきました。最後に、上田氏はTransformationを担うのはデジタル人材ではないと言います。経営者自身が変革を先導し、その変革の中で育つ「変革人材」がプロジェクトをリードしていくことこそが重要だと上田氏は話してくれました。



来賓を代表して祝辞を述べる河村建夫氏

来賓代表の祝辞
<代表>河村 建夫 氏(元内閣官房長官、元文部科学大臣)

来賓を代表して、元衆議院議員で内閣官房長官や文部科学大臣を歴任した河村建夫氏が祝辞を述べました。河村氏は家具業界とも関わりが深く、2012年には大連家具展を視察しました。祝辞ではその時のエピソードについても披露しながら、重要な産業である家具業界の主要なメンバーが集まり、議論して、学ぶことは大切なことと述べられました。



今後の家具インテリアの販売について話すリクルートの西村氏

講演②「新しい時代における家具・インテリアの届け方」
<講師>西村 拓也 氏(株式会社リクルート 新規事業開発室 TABROOM担当)

リクルートは国内最大級の家具インテリアのポータルサイト「TABROOM(タブルーム)」を運営し、インテリアコーディネーターをはじめとするインテリア販売の効率化ツール「MINTERIOR(ミンテリア)」も提案しています。西村氏はこれらのサービスを説明した後に、今後の家具インテリアの提案がどのように変化していくのかについて考察しました。実際にAIを用いて家具をデザインしてみたり、簡単に部屋をレイアウトするサービス事例を紹介。DXによって家具業界にどのような変化がもたらされるのかの一端を知る貴重な機会となりました。



今まさに事業展開しているプラットフォーム事業について話す佐藤社長

講演③「次の100年に向けて家具と住宅市場をつなぐプラットフォーム」
<講師>佐藤 友彦 氏(佐藤産業株式会社 代表取締役)

創業100年を超える広島・尾道市の佐藤産業は、家具業界の時代の流れに合わせて、その業態を変化させてきました。海外の輸入家具品が価格競争力で市場を席捲した際にはベトナムでの全量生産をいち早く実現し、インターネット販売の黎明期からECサイトでの家具販売に取り組んできました。その佐藤社長が次の100年に向けて取り組んでいるのが、家具と住宅市場をつなぐプラットフォーム事業です。住宅の販売者がリスクや手間なく家具を販売できるシステムを組み上げました。分譲住宅ではすでに売上の6分の1を占める事業にまで成長。今後は戸建住宅向けのプラットフォームの立ち上げを本格化していくという、まさに現在進行形の事業の詳細を披露しました。



IT企業に勤める傍ら明治大学大学院で経営学を学んでいる丁氏

講演④「家具業界におけるEコマースのインパクト」
<講師>丁 明 氏(明治大学大学院 経営学研究科 博士後期課程)

丁氏はIT大手企業に勤める傍ら、明治大学で経営学について学ばれています。今まさに飛ぶ鳥を落とす勢いのEコマースが家具業界にどのような影響を与え、そして未来に向けてどう変化していくのかを、実際にIT企業の最前線で活躍されている実務的な思考と学問的に体系化された学術的な視点から分析を試みました。そして、今まさに変化している家具インテリアの販売実例を挙げながら、家具業界がどのようにEコマースと関わっていくべきかについても解説していただきました。



会場にはBIPROGYのVR・xRゴーグルの体験コーナーも設置されました

およそ5時間にわたる夏季セミナーは盛況に無事開催することができました。セミナー講師の解説の後には様々な質疑応答や相談などの意見交換が行われ、講演間の休憩時間には各処で名刺交換や意見交換が行われるなど、人と意見の交流が活発に行われました。最後に池田一実常務理事が閉会の言葉として、講師の方々への感謝と各地から集まった参加者の労をねぎらい、今回学んだことをそれぞれ各自が自社で実践して家具業界を盛り上げていきたいと述べられました。

講演終了後は参加できるメンバーで懇親会を開催しました。酒席でもビジネスの話から楽しい話まで様々に盛り上がり、活発な交流が行われました。


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